ナイバシャ湖のはなし [ケニア旅行]
そんなこんなで、次にやってきたのは、
ナイバシャ湖。
宿泊したのは、このようなロッジ。
赤ずきんちゃんがおばあさんを訪ねていって、
オオカミに食べられた家みたいな、
メルヒェンな風情。
このあたりは、標高が高くて、かなり寒い。
部屋の暖炉は、
ヘンゼルとグレーテルが魔法使いを焼殺した暖炉みたい、なのだが、
決してメルヒェンな気分を盛り上げるためにあるのではなく、
現実的に必要な設備だ。
セーターを着込んで、ロッジの敷地内を散歩すれば、
柵の向こうに、生き物の気配。
イボイノシシ。
ナイバシャには、イボイノシシがやたら多かった。
いつも、ロッジに遊びに来ていたし、
サファリドライブで撮ったお写真は、
画面のどこかに必ずイボイノシシが写りこんでいる。
イボイノシシは、ととととーと走って、ぴたっと止まり、
ちらっとこっちを見て、またととととーと走る。
その、一時停止する様子が、かわいい。
一列に並んで走るのも、かわいい。
子どもは必ず、親の後ろを走っている。
そして、少し走るとやっぱり、一時停止する。
おでは、今後、好きな動物を聞かれたら、
イボイノシシと答えることにした。
ナイバシャは緑が豊富だ。
豊富な緑を求めて、様々な草食動物が集まっている。
どういうわけか、みんなじっとこっちを見る。
もちろん、肉食動物もいる。
イボイノシシが、いつも食べられていた。
あの一時停止の習性のせいで、捕まってしまうのではないかと思うが、
何より、たくさんいるせいだろう。
ある日、夕方のサファリドライブを楽しんだ後、
ロッジの皆さんと、たき火を囲んでワインを飲みに湖畔へ向かった。
そこで見つけたのは、
ひどく老いた、イボイノシシ。
立ち上がる力もなく、威嚇することもなく、ただ荒い息が聞こえた。
「老衰で、間もなく死ぬところです。」
ネイチャーガイドさんが説明してくれた。
こんなに長く生きるのは、とても珍しいと言っていた。
かなしかった。
食べられていたヤツを見ても、
こんな気持ちにならなかったのに。
しみじみ、かなしかった。
(つづく)
ナイバシャ湖。
宿泊したのは、このようなロッジ。
赤ずきんちゃんがおばあさんを訪ねていって、
オオカミに食べられた家みたいな、
メルヒェンな風情。
このあたりは、標高が高くて、かなり寒い。
部屋の暖炉は、
ヘンゼルとグレーテルが魔法使いを焼殺した暖炉みたい、なのだが、
決してメルヒェンな気分を盛り上げるためにあるのではなく、
現実的に必要な設備だ。
セーターを着込んで、ロッジの敷地内を散歩すれば、
柵の向こうに、生き物の気配。
イボイノシシ。
ナイバシャには、イボイノシシがやたら多かった。
いつも、ロッジに遊びに来ていたし、
サファリドライブで撮ったお写真は、
画面のどこかに必ずイボイノシシが写りこんでいる。
イボイノシシは、ととととーと走って、ぴたっと止まり、
ちらっとこっちを見て、またととととーと走る。
その、一時停止する様子が、かわいい。
一列に並んで走るのも、かわいい。
子どもは必ず、親の後ろを走っている。
そして、少し走るとやっぱり、一時停止する。
おでは、今後、好きな動物を聞かれたら、
イボイノシシと答えることにした。
ナイバシャは緑が豊富だ。
豊富な緑を求めて、様々な草食動物が集まっている。
どういうわけか、みんなじっとこっちを見る。
もちろん、肉食動物もいる。
イボイノシシが、いつも食べられていた。
あの一時停止の習性のせいで、捕まってしまうのではないかと思うが、
何より、たくさんいるせいだろう。
ある日、夕方のサファリドライブを楽しんだ後、
ロッジの皆さんと、たき火を囲んでワインを飲みに湖畔へ向かった。
そこで見つけたのは、
ひどく老いた、イボイノシシ。
立ち上がる力もなく、威嚇することもなく、ただ荒い息が聞こえた。
「老衰で、間もなく死ぬところです。」
ネイチャーガイドさんが説明してくれた。
こんなに長く生きるのは、とても珍しいと言っていた。
かなしかった。
食べられていたヤツを見ても、
こんな気持ちにならなかったのに。
しみじみ、かなしかった。
(つづく)
可愛いロッジだね
可愛いイボイノシシだね
でも 寒いんだね
でも 悲しい気持ちになったんだね
さみしい気持ちになるから きっと 嬉しい気持ちに
なるんだね
by いちご☆ (2011-01-20 16:21)
もうすぐ食べられちゃう・・・・ホロリ
by 旅爺さん (2011-01-20 17:31)
リアルすぎて困った。
ナイロビ空港に通っているのは母が老衰で近くの病院に入院してるため。
食が減って立てなくなったんだよね。
でも、可愛いんだ。
返事に困ったら消しちゃってね。
by masiko (2011-01-20 22:20)
長く生きるって良いことも悪いこともいっぱいってことなんだね。
by よっきー (2011-01-20 22:57)
いちごさん>ロッジ かわいかった
イボイノシシも かわいかった
老衰のイボイノシシは かなしかった
ひとは 死ぬとき ひとりなんだ と実感して かなしかった
ひとじゃなくて イボイノシシ だけど
旅爺さん>・・・ポロリ。
ましこさん>老衰のイボイノシシは、
あたりまえに、受け入れているような表情をしてました。
でも、それを見るのは、やっぱりかなしかった。
自然なことだと頭では理解しても、やたらかなしかったです。
よっきーさん>長く生きるのが目的、みたいな意味不明の生き方はよそう、
と、ケニアに行って思ったのでした。
ちょっと、毒舌だけど。
by misso (2011-01-21 00:21)
ごく最近、親しい友人のお父さんが亡くなりました。
元気に一人で暮らしていたのに、暮れに肺炎を起こして入院し、
肺炎は治ったのに、体力が戻らずに。
入院半月、一日一日と消えるような亡くなりかたでした。
それまで、病院とは全く縁がなかったから、
家族にしたら、あっけない最期だったようです。
かなしいけど、今はそんな終わり方もいいかなぁって。
by 柴犬陸 (2011-01-21 08:38)
こんな風に死ねたらね、いいんだけどなぁ。
って、思うのであった・・・。
by きむたこ (2011-01-21 10:10)
柴犬陸さん>それはみんなの憧れる、最期では。
おでもそんな風に死ねたらいいなあと思います。
長く苦しむのはイヤですが、こればっかりは選べませんから。
でも正岡子規みたいのは、できれば避けたい・・・。
きむたこちゃん>この死に方は難しいね・・、にんげんだもの。
by misso (2011-01-22 23:21)