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アンボセリのゾウのはなし [ケニア旅行]

ドライバーさんが車をとめた。

「えれふぁんと」

と言う。

IMG_0344.JPG

え?ゾウ?
とりあえず、カメラのシャッターを押したところで、
ドライバーさんが双眼鏡を貸してくれた。

「あ、ろっとおぶ、えれふぁんと」

双眼鏡を覗いて、わかった。

地平線に見える、黒い点々、
あれ、ぜんぶ、ゾウだ。

もっと近くに行こう、
ドライバーさんが車のエンジンをかけた。

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人間は、屋根の下で眠るはなし [ケニア旅行]

旅の最初の目的地は、アンボセリ国立公園。
おでたちは公園のなかで、2泊する予定だ。

「公園のなかで?」

おとっつあんに、聞き返した。
車はすでに、アンボセリ国立公園内を走っている。


IMG_0321.JPG


ここで、泊まれるの?

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アンボセリへ向かうはなし [ケニア旅行]

12月26日、8:30。
ナイロビ市街のホテルを出発。

日曜日だから、道がすいているんだとドライバーさんは言った。
平日はものすごい渋滞で、ナイロビを抜けるのにずいぶん時間がかかるらしい。
とはいっても、デュッセルドルフ市街の道よりは混んでいる気がする。
しかし、しばらく走るうち、
みんなが好き勝手な車線を走っているので、ごちゃごちゃしているだけだと、気がついた。
よく見れば、車の量はそれほど多くない。

道路沿いに、トタンで作った小さな家がいくつも建っている。
「ほったて小屋」、
言葉は知っているが、実際に見たのは生まれて初めてかもしれない。
長屋のように、何軒かが隣り合って建ち、
家の前では裸足の子供が棒をもって遊び、
木と木の間につった、ヒモにカラフルな洗濯物がはためいている。
太陽がぎらぎらまぶしくて、おではさっきから暑くて仕方ない。
ほったて長屋の洗濯物は、きっとあっという間に乾くだろう。
なんだか、戦後の日本に来たみたいだ。
はなしに聞いただけで、そこにいたことなんか、ないけれど。

自分の日常と全く違う、生活がスライドのように流れる車窓をながめて、
うすぼんやりといろいろなことを考えていたら、
いつの間にか寝ていた。

ドライバーさんが何か言うのが聞こえて、目を覚ます。
OK、と返事をした、おとっつあんに尋ねると、
「この先のお店で休憩するって、安全な店だから大丈夫だって。」
ちゃんと起きていたらしい声で、教えてくれた。

ここにくるまでに何軒もお店があったし、
今も道路沿いにいっぱいお店があるけど、
そうか、あれは「安全じゃない店」なんだ、と思う。


IMG_0317_2.JPG
安全な店


安全な店の客は、ヨーロッパ系の観光客ばかりだった。
そういえば、車窓から眺めた、店には黒人しかいなかった。
おでらはきっと、あの店には入れないんだろう。

安全な店をでて、しばらく走ると、あたりは草原の雰囲気になってきた。
たまに人もみかけるが、
それは牛飼いのひとや、羊飼いのひとたちで、
人よりも、動物率が高くなってきた。
ほったて小屋も、安全じゃない店も、もう見えない。

アンボセリ国立公園は、もうすぐだ。

(つづく)
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ナイロビのはなし [ケニア旅行]

おでたちが乗った、飛行機は定刻どおりナイロビ空港に到着。

ナイロビ空港に降りたのは、もちろん初めてのこと。
だけど、これと似た場所を知っている、気がする。
「インドネシアでしょ?」、おとっつあんは言ったが、そうじゃない。
確かにインドネシアとも似ているのだけど、もっと身近な、どこかで、
インドネシアより、もっと似ている、どこか。

免税店とみやげ物屋が並ぶ、通路をバゲージクレームへ向けて歩く。
木彫りのお面を天井からいくつもぶら下げている、みやげ物屋の前を通りながら、
あのお面も、そのどこか、ここに似た場所で見た気がする。

しばらく、頭のはしっこで考えていたが、
ゲートを出て、旅行会社のひとと対面し、
旅行中ずっとおせわになる、ドライバー兼ガイドのひとを紹介してもらい、
では、さっそくホテルに向かいましょうと、車に乗ったら、
そのことは、忘れてしまった。
というか、そんなことを考えている余裕は、なくなった。

ホテルまで30分のドライブで、おでの寿命は30時間くらい縮んだと思う。
無理な追い越し、車線変更はあたりまえ、
クラクションを鳴らしながらアグレッシブに走る、車たち。
おでたちを乗せた車も、そのカオスの中をするすると走っていく。

横断歩道がないので、
道を渡ろうと、車の途切れるタイミングを待つひとが、あちこちに立っている。
もし手を伸ばせば、走っている車に確実にぶつかる、そのくらいに近くで。

危ない、兆、危ない。

チキンハートなおでは、さっそく不安になっていた。
今日は空港-ホテル間だけのドライブだが、
明日は、8:30出発で12:00頃まで車移動、
旅程表を見れば、移動は4回もあるじゃないか。
そのたびに、こんなドキドキに耐えねばいけないのか。
心臓に悪いじゃないか。寿命が縮むじゃないか。

心配だ、兆、心配だ。

シャワーを浴びてさっぱりして、夕飯を食べて、
そのあいだも、頭のはしっこでネガティブな心配をつづけていたが、
横になったら、しかし、すぐにすとんと眠ってしまった。

そして、夢を見た。

おでは、「ケニアに行ってくる」と言って、なぜか中央線に乗っている。
どこかの駅で降り、アーケードをスーツケースを引きずりながら歩いていく。
アーケードのどん詰まりに、ナイロビ空港はあった。
薄暗い空港を歩きながら、やはり「どこかに似ている」と思う。
それとも、ここがナイロビ空港に似ているのか?
そして、やっと気がついた。

おでがいるのは、中野ブロードウェーだった。

(つづく)

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ナイロビ市街の公園
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出発のはなし [ケニア旅行]

12月24日、デュッセルドルフは大雪。

「ホワイトクリスマスね、すてき。」
なんつって、かわいらしく喜べれはよいのだが、
おではウキウキするどころか、「雪野郎、早くやまねえか」とイライラしていた。

おとっつあんはもっと、カリカリしていた。
眉間にしわを寄せて、パソコンの画面を見つめている。

「14:40発の便が、まだ出発しない。」

おでたちが乗る、飛行機は20:45発。
現在、そろそろ空港へ向かおうか、という時間になっている。
それなのにひとつ前の飛行機が、まだ飛んでいないのだ。
今日のヨーロッパ便は、早々にすべてキャンセルになっていた。
とりあえず現在のところ、おでたちの乗る便はキャンセルされていないものの、
確実に飛ぶかどうか、怪しいところだ。

困って顔を見合わせるが、雪はだんだん小降りになってきているし、
出発が遅れることはあったとしても、たぶん飛ぶはずだ。
いやたとえ飛ばないとしても、とりあえず空港に行こうじゃないか、というはなしになった。

ところが、いつもなら電話すれば、びっくりするほど早く来てくれるタクシーが、
大雪のせいでなかなか来ない。
この調子だと飛行機も遅れるだろうなあと、おとっつあんを見ると、
めちゃ不安げな顔をしている。

そりゃそうだ。
おとっつあんはこの旅行をめちゃめちゃ楽しみにしていたのだ。

個人旅行では行きにくい地域のため、
団体ツアーが苦手な、おでは全く乗り気じゃなかった。
衛生状態が悪くて、生水の飲めない地域だから、
お腹の弱い、おではきっと一日中便所にこもることになるだろう。
便所といえば、それも大問題だ。
大草原で便意をもようしたら、やはり、野グソしかないだろう。
もし、尻まるだしにしている状態で、ライオンに遭遇したら?
瞬発力と運動能力が人並み外れて劣る、おでは、食べられるしかないだろう。
「いやだ、まだ死にたくない!」
ネガティブな仮説を立て、行くのはやめようと、説得を何度か試みたが、
おとっつあんは折れなかった。

団体ツアーじゃなくて、ガイド兼運転手さんがおでたちに同行する形だし、
宿泊するロッジは近代的で衛生面には、全く問題ない。
これなら団体行動が苦手で胃腸が弱いおででも大丈夫だから、
と、逆に説得されて、折れたのはおでのほうだった。

やっと、やってきたタクシーで、到着した空港はひとけもまばら。
今日の便のほとんどがキャンセルなのだから、当然なのだけれど、
ひとけのない空港に不安を煽られる。

IMG_0299.JPG

しかしながら、どうやらおでたちの便は無事に飛ぶようだ。
しかも、時間通りに。

20:40発、ドバイ行き。
そして、ドバイ空港で乗り換える。
ケニアには明日の15:00に到着。
それが、今回のフライトスケジュールだった。

(つづく)
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くしゃみとGesundheit [ドイツ生活]

おでは、16種類のモノに対してアレルギー反応がでる体質。
一日にすくなくとも、10回はくしゃみをする。

ドイツでは、くしゃみをしたひとに、

げずんとはいと!

と、声をかける習慣がある。
そして、それをいわれたら、

だんけしぇーん!

と、お礼を言わねばならない。
だから、しばしばしらないひとと、
くしゃみのおかげで小さく会話することになる。
アレルギー体質も、わるくない。

ちなみに「げずんとはいと」は、「健康」という意味。
「大丈夫、風邪じゃないよ、あなたは健康よ」、と、
くしゃみしたひとを元気づける、習慣らしい。
思いやりのある、やさしいご挨拶だなあと思う。

似たような習慣がある国は多い。
英語圏の「Bless you」は、有名だ。

日本語べらべらのドイツの知人は、
日本にこの習慣がないのが、残念で仕方ないと言っていた。
日本語にはかわいいご挨拶がたくさんあるのに、
どうしてくしゃみの時に何も言わないのかと、
心底がっかりした様子だった。
ちなみに、彼女が考える「日本のかわいいご挨拶」とは、

いただきます、ごちそうさま、おつかれさまでした、など。

それがかわいいかどうかはまた別のはなしで、
確かにくしゃみの後の「げずんとはいと」に慣れると、
何もないのが味気ない。

しかし、じつはこの「くしゃみ」という言葉じたいが、
日本語でいうところの「げずんとはいと」、なのだった。
おではその事実をネットで検索して知り、
ただ今、鼻の穴をふくらませてブログを更新している。

中世の日本ではくしゃみをすると鼻から魂が抜けると信じられており、
そのためにくしゃみをすると寿命が縮まると信じられていた。
そこで早死にを避けるため「くさめ」という呪文を唱えるようになり、
いつしかそれが「くしゃみ」という名前となり、その行為そのものを指すようになった。
(Wikipediaより)

豆知識好きのおでは、大興奮。
誰かに言いたくてしかたなかったわけで。

今後くしゃみをしたひとには、「くしゃみ!」と言おう、と決意する。

くしゃみ!

「げずんとはいと」も悪くないけど、
日本のご挨拶の、なんとかわいらしいことよ。

以前、電車でげずんとはいとのご挨拶を交わしたドイツ人に、
「日本でもくしゃみのときに何か言うの?」、と尋ねられ、
「何にも言わない」、と答えてしまったことが悔やまれる。
たぶん、あのひとは、
「ちょっとくしゃみしただけの異邦人」と交わした会話など、
覚えちゃいないと思うが、ああ、せっかくのチャンスをふいにしてしまった。
「くしゃみのご挨拶を世界に広める会」会長(会員一名)としては、
はげしく悔やまれる。

(おしまい)

北の国から [ドイツ生活]

寒いとか、
暗いとか、

ことばで表したところで、
現状を、もひとつご理解いただけないと思いますので、
おしゃしんを載せます。

schnee.JPG

これは、本日、13:30に写したものです。

schnee_2.JPG

何度も言いますが、これは、13:30のおしゃしんです。
しつこく申し上げて、恐縮ですが、
13:30、つったら、あーた、

昼でしょう?

おわかりいただけたでしょうか。
寒いんです、
暗いんです。
えーん。

このおしゃしんは、銀行を出たところで、撮影しました。
本日は銀行に用事があって、出かけたのです。

おでの任務はもうひとつありました。
この銀行から徒歩2、3分のところにある、日本食材店でポン酢を購入すること。
今晩は鍋を食べようと、朝から決めていたのです。
寒い日は鍋に限るのです。
でも、日本酒は高くて買えないのです。
だから、ワインを飲むのです。
ワインは3ユーロなのです。
ちなみに、ポン酢のほうが高いのです。
まあ、そんなことは本文とは関係ないのです。

さて、銀行の用事がおわりまして、次はポン酢。
毛糸の帽子を目深にかぶり、
マフラーを鼻の下までぐるんぐるんに巻き付けて、
雪嵐のなかへ、勇ましい一歩をふみだしました。

しかし、
銀行の前の、地下鉄の駅へ通じる階段を降り、
北へ向かう地下鉄に乗って、
おうちにまっすぐ帰ってきてしまったわけで。

とうさん、本当に今日の雪嵐は、ひどかったわけで。
できれば、もう一度おしゃしんを見て欲しいわけで。

そういったわけで、
これが、おでの本日の出来事です。

(おしまい)

クリスマスプレゼントは誰がくれるの? [ドイツ生活]

ブーツを買いました。

雪道でもすべらない、ガシガシの靴底で、
ムートンが内側に貼ってあり、外側は完全防水。
山に登るひとが履いてる靴みてな、頑丈なやつ。
これで氷点下でも無敵!兆あったかい!!
ららら~♪

ちなみに、これはクリスマスプレゼント。

まだ、クリスマスまで、ちょいとありますが、
とうさん、もう待てませんよ!こんなに雪が積もっているんですよ!、
得意の「北の国から」の純マネでねだり、早くも手に入れました。

ところで、ドイツの子供はイブの夜、食事のあとでプレゼントをもらうのだそうです。
「はい、プレゼント」、っつって、家族から。
ドイツのおとっつあんは、夜中にこっそり子供の枕元にプレゼントを置かないのです。
「はい」、っつって渡す。

サンタさんはどうした、ってはなしですが、
ドイツでは12月6日に、「ニコラウスの日」というのがあります。
ニコラウスとは、日本でいうところのサンタさん。
そのニコラウスの日に、サンタさんはやってくるのです。
そして、子供の靴におかしを入れていく。
靴に入ってるおかし・・・、
それを食べるのは、おでてきにはいささか抵抗があり、
できれば、気持ちだけ頂戴しておきたいところですが、
子供はそのへんを気にしないようで、
自分の靴をきれいにして、楽しみに待っているのだそうです。

所かわれば、サンタさんもかわる。

イタリアでは、魔女がプレゼントを持ってくるっていうし、
ロシアでは寒寒じいさんが孫娘といっしょに、配るらしい。

しかしながら、眠る子供の枕元に、そっとプレゼントを置いていく、
日本のサンタさんを、おでてきにはやはり、いちばん好ましく思います。
アメリカのサンタクロースは、夜中に煙突から進入して、
暖炉のそばにプレゼントを置いていくそうで、
日本のサンタさんによく似ている、と言えなくもない。
まあ、おそらく、
日本サンタさんのプレゼント配布方法は、アメリカが原型なのだろうと思いますが、
枕元まで抜き足差し足やってきて、そーーっと物音をたてずに置いていく、
サンタさんのなんと健気で、いとおしいことよ。

さて、残念ながら、
今年のプレゼントをすでにもらってしまった、おでの元にサンタさんは来ません。
それなら、おでがサンタさんになりたい、なんて思いましてね。
おとっつあんに、何が欲しいか尋ねてみたのですよ。
そしたら、これが、いやはや困りました。
おとっつあんが欲しいのは、


いぬ


だそうです。


(おしまい)

ドイツジョーク7 [こばなし]

浅草演芸ホールあたりじゃ、あんまり見ない感じの、
三味線の出囃子が、似合わない感じの、
スーツ姿の外人が立ってしゃべりそうな、
そんな感じの、ジョークです。

===========================

目の前のビールに手をつけず、男はしょんぼり座っていた。
いつもの飲み仲間がやってきて、
挨拶がわりに、男のビールを飲み干した。
とたんに、男はわっとばかりに泣き出した。

「おいおい、僕ちゃん、たったビールの一杯で、大の男がみっともない。」

「ちがわいちがわい!
家に帰りゃ、家財道具が何もない。
銀行の金も、からっぽさ。
女房がぜんぶ持って、出てっちまった。
元々失業中の身の上だ。
生きてたってしょうがない。
電車に轢かれて死のうとしたが、今日はスト。
首くくって死のうとしたら、ひもが切れ、
あたま撃って死のうとしたら、銃は壊れているときた。
だから、最後の金でビールを買って、毒入れて、
ぐっと飲んで死のうとしたら、お前が飲んじまったのさ!」

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※小咄愛好家ミッソのコメント※

ジョーク集は、ひとまず、ここまで。
なぜなら、ネタ切れ。
おでの頭は、ふけだらけ。

(おしまい)
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ドイツジョーク6 [こばなし]

本日のは、大喜利のお題にありそうな、ジョーク。

歌◎:えー、皆さんは、
「~と、~の、どちらかを、やめなきゃいけないらしいんだ」、
と、アタシに言ってください。
そしたらアタシが、
「どっちを、やめるんだい?」
と、聞きますので、それに続けてください。
はい、◎楽さん!

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「女とワイン、どちらかを、やめなきゃいけないらしいんだ」

「どっちを、やめるんだい?」

「製造年、次第だな。」

======================

※小咄愛好家ミッソのコメント※

こんな女性視聴者を敵にまわす回答は、しないか。。。


(おしまい)
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